執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 運転免許の取消・停止の争い方
交通違反があり、基準点数に達した場合、その点数に応じて運転免許の取消・停止の処分がなされることになります。
免許の取消及び90日以上の停止をする場合、公安委員会は意見の聴取を行うことになります。
それ以外の処分については意見の聴取なしに処分がなされることになります。
免許取消・停止の処分がなされた場合、60日以内に公安委員会に対して異議申し立てをするか、3か月以内に行政訴訟を起こすことが考えられます。
ですから、行政処分が出される前には、意見書や資料を提出する、意見聴取において意見を述べる等して、不当な処分を阻止すべきことになります。
それでも納得のいかない処分が出た場合、異議申し立て手続き、あるいは訴訟の中で主張や証拠を出していくことになります。
なお、点数がつけられたこと自体は行政処分ではないため、争うことができません。
2 運転免許停止・取り消しをめぐる争いの内容
当然、交通違反に該当しないと言える場合、事実関係や法解釈自体を争うことになります。
裁判例の中には、飲酒量検知をしていない場合に酒気帯びではなかったとされた事例、違反行為はあるものの事故との因果関係がないとされ処分が取り消された事例などがあります。
また、事実関係に争いがない場合であっても、「交通事故の被害の程度又は不注意の程度のいずれか一方が軽微であり、かつ、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合」、「被害者の年齢、健康状態等に特別な事情があるとき等同一原因の他の事故に比べて被害結果を重大ならしめる他の事由が介在した場合であって、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合」、「被害者が被処分者の家族又は親族であって、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合」、「危険性がより低いと評価すべき特段の事情があり明らかに改善の可能性が期待できる場合」等には、30日又は60日間処分が軽減されることがあります。
ですから、交通違反自体に争いはなくとも、この基準に該当することを裏付ける主張や証拠を提出していく場合もあります。
3 酒気帯び運転の争い方 ウィドマーク式への疑問
摂取アルコール量を検証する必要性
酒気帯び運転において、基準を超えるアルコールが検出されない場合でも、ウィドマーク式という方式でアルコール濃度を推計し、酒気帯び運転として処分することがありえます。
そもそも、摂取したアルコール量が正確でなければ、ウィドマーク式を使用して得たアルコール濃度は不正確となります。
ですから、飲食店のレシート等により、実際に摂取したアルコール量と計算に使用されたアルコール量に違いがないか、きちんと検証することが重要です。
ウィドマーク式検査について、前提となる飲酒量等が不確かであるとして、その信用性を否定した裁判例として、佐賀地裁平成20年12月12日判決があります。
ウィドマーク式の信用性
また、そもそも、ウィドマーク式自体の信ぴょう性についても適切に検証しなければならないでしょう。
日本におけるウィドマーク式は、「アルコールの代謝の個人差に関する研究ー特に血中アルコール濃度とβ値についてー」という論文で提示された数値がもとになっているとされます(城祐一郎「実例 交通事故捜査における現場の疑問〔第2版〕」43頁)。
しかし、この実験は、オカキ類30gとともにされています。
これは120~150キロカロリーと考えられます。
つまり、少しのツマミとともに飲酒したデータということになります。
しかし、大嶋俊二「飲食時の食事摂取は何故重要なのか?」は、460キロカロリーの軽食とともに飲酒をした場合、血中アルコール濃度が空腹時の半分程度となることを示しています(169頁の図1)。参照:「飲酒時の食事摂取は何故重要なのか?」
そうだとすると、オカキ類30gを大きく上回るツマミとともに飲酒した場合、ウィドマーク式は参考にならないと言えると考えます。
飲酒運転のケースで納得がいかない場合は、ウィドマーク式の信用性自体も争うことが考えられます。
なお、東京地裁令和2年7月3日判決は、アルコール濃度の上昇期においてウフィドマーク式は信用できないとしています。参照:アルコール濃度の上昇期においてウィドマーク式が参照できないとされた裁判例
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