AV動画等のアップロードと著作権侵害 新潟県で動画のアップロード問題はお任せください

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 動画のアップロードと著作権侵害

最近、アダルト作品も含めた他人の動画をアップロードしたということで損害賠償請求を受ける事案が増えています。

特に、P2P方式のファイル共有プロトコルであるBitTorrentを利用した動画のアップロードをめぐるトラブルが増えているようです。

少なくない裁判例において、動画をアップロードすることで、著作権(公衆送信権)が侵害されたと認定されているところです。

著作権侵害として発信者情報の開示を認めた裁判例としては、知財高裁令和7年1月23日判決等があります。参照:BitTorrentについて発信者情報開示を認めた裁判例

損害賠償を認めた裁判例としては、知財高裁令和4年4月20日判決が、「BitTorrentを利用した本件各ファイルのダウンロードによる一審被告の損害の発生は、あるBitTorrentのユーザーが、本件ファイル1~3の一つ(以下「対象ファイル」という。)をダウンロードしている期間に、BitTorrentのクライアントソフトを起動させて対象ファイルを送信可能化していた相当程度の数のピアが存在することにより達成されているというべきであり、一審原告X1らが、上記ダウンロードの期間において、対象ファイルを有する端末を用いてBitTorrentのクライアントソフトを起動した蓋然性が相当程度あることを踏まえると、一審原告X1らが対象ファイルを送信可能化していた行為と、一審原告X1らが対象ファイルをダウンロードした日からBitTorrentの利用を停止した日までの間における対象ファイルのダウンロードとの間に相当因果関係があると認めるのも不合理とはいえない。」として、BitTorrentの利用と著作権侵害との間に因果関係を認めています。

また、上記知財高裁判決は、「BitTorrentを利用してファイルをダウンロードした場合、同時に、同ファイルを送信可能化していることについて、認識・理解していたか又は容易に認識し得たのに理解しないでいたものと認められ、少なくとも、本件各ファイルを送信可能化したことについて過失があると認めるのが相当である。」として、BitTorrent利用者の過失も認定しています。

なぜ過失が認定されると言えるのか、上記判決は根拠が薄弱のように思われますが、BitTorrent利用をしていた場合、著作権侵害として損害賠償請求されるリスクがあると認識することは重要です。

2 著作権侵害と損害額

実際に動画をアップロードし、著作権者から損害賠償請求を受けた場合、損害賠償に応じなければならないケースが多いかと思います。

ただし、請求された金額をそのまま支払わなければならないというわけでもありません。

著作権が侵害された場合、市場において著作権者の商品が売れなくなるという損害が発生します。

その損害については損害賠償が認められうることになります。

しかし、実際にはその算定は極めて困難です。

この点、著作権法は、損害額の立証を容易にする規定を設けています。

著作権法114条1項は、著作権侵害により販売やダウンロードされた数量に、被害者における単位あたりに利益額を乗じ、損害額とするものです。参照:著作権法

著作権法114条2項は、著作権侵害により加害者が受けた利益を損害額として推定するというものです。

著作権法114条3項は、著作権の利用料相当額を損害額とするものです。

これらの規定を使った場合でも、被害者の側で一定の事項を立証する必要があります。

例えば、著作権法114条1項については、被害者において販売数量などや単位当たり利益を立証しなければなりません。

ですから、そのような立証もないのに、著作権者から請求されるがままに賠償をする必要はありません。

例えば、知財高裁令和4年4月20日判決被告は,「本件各ファイルが1回ダウンロードされるごとに,本件著作物を1回ダウンロード・ストリーミング販売する機会を失ったということができるから,本件著作物ダウンロード及びストリーミング形式の販売価格(通常版980円,HD版1270円)を基礎に損害を算定するのが相当である。そして,被告は,DMMのウェブサイトにおいて本件著作物のダウンロード・ストリーミング販売を行っているところ,被告の売上げは上記の販売価格の38%であると認められるので(弁論の全趣旨),本件各ファイルが1回ダウンロードされる都度,被告は,通常版につき372円(=980×0.38),HD版につき482円(=1270×0.38)の損害を被ったものということができる。」として、売り上げと利益率から損害額を算定しています。

また、著作権側で、弁護士費用や調査費用も含めた請求をしてくることもあります。

しかし、少なくとも裁判所での手続きで開示を得たような場合等はともかく、弁護士が交渉をしているというだけで弁護士費用の賠償責任が発生するとも思われません。

開示のために裁判所の手続きが利用され、弁護士費用の賠償責任が発生するとしても、多くの場合において賠償責任が発生するのは弁護士費用の一部でしかありません。

3 著作権法の刑事責任について

著作権法に違反した場合、刑事責任が発生する可能性があります。

そのため、著作権者において、刑事告訴をたてに、法外な要求をしてくることも多々あります。

しかし、多くの人は動画のダウンロードのみならずアップロードをすることまでは認識しないでアップロードを行っていると考えられます。

ですから、犯罪の故意があるとして有罪とされるケースはあまり多くはないと考えます。

ですから、著作権者側の脅しに過剰に反応する必要はないと考えます。

4 動画のアップロードで損害賠償請求をされたらご相談ください

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