建設アスベスト訴訟福岡高裁判決

さいとうゆたか弁護士

本日、建設アスベスト訴訟福岡高裁判決が言い渡されました。

建設業従事者が職場でアスベストに暴露され、肺がんなどにり患したことについて、これまで多くの裁判所が国・建材メーカーの責任を認めてきました。

1人親親方に対する責任も認められてきました。

大阪高裁平成30年9月20日判決は、以下のとおり述べ、国が規制権限を行使しなかったことについて損害賠償賠償責任を認めました。

「被控訴人国が昭和50年10月1日の昭和50年改正特化則施行時以降(以下「被控訴人国の責任期間」という。)に防じんマスクを着用させること,警告表示及び作業現場掲示の各義務付けについて規制権限を行使しなかったこと,平成3年末に石綿含有建材の製造等を禁止すべき規制権限を行使しなかったことは,国賠法1条1項の適用上違法であると認められる。」
「したがって,被控訴人国は,本件被災者のうち,昭和50年10月1日以降に建築現場において石綿粉じん曝露作業に従事し,石綿粉じんに直接又は間接的に曝露した者及び同日以降に建築現場において建築作業に従事し,石綿粉じん曝露作業により発生した石綿粉じんに間接的に曝露した者に対して,国賠法1条1項に基づく責任を負う(ただし,労働者性のない者又は期間については,一定の例外がある。)。」

また、同判決は、以下のとおり述べて、建材メーカーの損害賠償責任も認めています。

「被控訴人企業らは,石綿含有建材の建築作業従事者に対する石綿関連疾患発症の危険性について,昭和50年には予見可能であった。したがって,この時点で,被控訴人企業らは,その危険性について警告を表示すべき注意義務を負っていた。」

さらに、同判決は、労働者として雇用されていた建設労働者だけではなく、1人親方に対する賠償も認めています。

本日の福岡高裁判決は、大阪高裁判決などで認められてきた基本線を踏襲するものであり、これで国や建材メーカーの法的責任はゆるぎないものとなったと考えられます。

私自身もアスベスト労災(審査請求により逆転労災認定)の担当をしており、じん肺訴訟の弁護団員ですので、アスベスト訴訟については強い関心を持ってきました。

福岡高裁判決を踏まえ、政府において速やかに特措法制定をすることなどにより、建設アスベスト被害者の命有るうちの解決をはかることを強く求めます。

 

労災、労働災害、アスベスト被害などでお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です