高次脳機能障害と治療費(交通事故)

さいとうゆたか弁護士

1 高次脳機能障害と症状固定後の治療費、将来の治療費

交通事故で必要となった治療費については加害者あるいは、その保険会社が賠償責任を負うことになります。

この治療費は通常は症状固定時まで認められます。

症状固定とは治療をしても症状がよくならない状態を意味しますので、原則として症状固定より後の治療費の賠償は必要がないものとして認められません。

しかし、重度後遺障害が残ったような場合、症状固定後の治療費、将来の治療費も認められることがあります。

以下、高次脳機能障害の場合の治療費についてみていきます。

大阪高裁平成19年4月26日判決は、5級の高次脳機能障害の被害者について、以下のとおり述べ、臨床心理士、言語聴覚療法士、作業療法士などの専門職の介入する治療が必要だとして1年あたり8万円の治療費・通院交通費の賠償を認めました。

「前記前提事実(原判決第二・二(2))のとおり、控訴人一江は、本件事故により、脳挫傷等の傷害を負い、平成一三年八月一五日、高次脳機能障害の後遺症を残して症状固定したところ、《証拠略》によれば、その症状として、記憶機能障害、言語機能障害、空間認知機能障害、注意機能障害、管理機能障害、核上性(眼球運動中枢性)眼球運動障害、易疲労性、易怒性、衝動性、脱抑制、固執性、無計画性及び社会性の低下とともにこれらに対する病識の低下などが認められ、日常生活及び社会生活に支障を来しており、その治療及びリハビリテーションにおいて、臨床心理士、言語聴覚療法士及び作業療法士などの専門職の介入が必要であると認められる。」
「上記事実によれば、控訴人一江は、症状固定後も相当額の治療費及び通院交通費を要すると認めるのが相当である。」
「証拠(甲二、三)及び弁論の全趣旨によれば、その詳細は必ずしも明らかでないものの、控訴人一江の請求にかかる合計一年あたり八万円の治療費及び通院交通費を超える同費目の支出がなされていることが認められるから、一年あたり八万円をもって症状固定後の治療費及び通院交通費と認めるのが相当である。」

特に重度な高次脳機能障害については、症状固定後、ひいては将来の治療費が賠償の対象となることもあるので、将来の治療費の必要性を適切に主張立証しつつ請求をすることが重要です。

 

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