同性婚カップルと犯罪被害者給付金についての最高裁判決

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

1 同性カップルと犯罪被害者給付金についての最高裁判決

最高裁判決の内容

同性のパートナーが殺害されたことを理由になされた犯罪被害者給付金の申請が認められなかったことについて、名古屋市の男性が名古屋地方裁判所に提訴した訴訟について、令和6年3月26日、最高裁は、犯罪被害者と同性の者であっても、犯罪被害者給付金に関する法律5条1項括弧書きにいう「婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に該当しうるとして、同性カップルにおける犯罪被害者給付金請求の可能性を認めました。

犯罪被害者給付金に関する法律と同性カップル

日本では同性婚は法的に積極的には位置づけられていません。

 しかし、犯罪被害者給付金に関する法律第五条は以下のとおり定めています。
  遺族給付金の支給を受けることができる遺族は、犯罪被害者の死亡の時において、次の各号のいずれかに該当する者とする。
一 犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)
 ここでは事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も遺族給付金の請求をなしうることとされています。ここで性別は問われていませんので、同性婚のカップルを除外することは妥当ではないようにも思われます。
 同じような定め方をしている例としては、遺族厚生年金などがあります。
 法律婚をしている人としていない人とを区別する制度についてはその区別に合理性があるのか、差別ではないのか厳しく問われる必要があるでしょう。
 例えば、相続については、財産法秩序と関連するので、法律婚上の配偶者にしか相続権が認められないと説明されます。
 そのような説明がどこまで合理的か疑問はあります。
 それはおくとしても、犯罪被害者給付金を同性のパートナーに支給することで財産法秩序を乱すとは考えられません。
 むしろ、犯罪被害者給付金に関する法律1条に定める、「犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族又は重傷病を負い若しくは障害が残つた者の犯罪被害等を早期に軽減するとともに、これらの者が再び平穏な生活を営むことができるよう支援する」という同法の趣旨からすれば、同性のカップルについても犯罪被害者給付金を支給するのが制度趣旨に合致すると考えます。
 よって、今回の最高裁判決は妥当と考えます。

犯罪被害者給付金以外の制度と同性カップル差別

 これ以外でも、必ずしも法律婚ではなく事実上の婚姻関係を請求要件をしている制度については、現時点でも積極的に同性婚のカップルによる申請がなされるべきであり、それが認められない場合には法的手段も検討すべきように思います。

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