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1 道路陥没による交通事故の損害賠償責任
道路管理に瑕疵があり、そのため交通事故が発生した場合、道路管理者が賠償責任を負う場合があります。
京都地裁平成31年1月30日判決は、市道に大きな穴が空いていて、バイクが転倒したという事故について、道路管理者であった市に損害賠償を命じつつ、過失相殺を認めています。
この事案では、賠償責任に争いはなく、過失割合が主に争われました。
同判決は、道路管理者が責任を負う場合における過失割合を考える上で参考になるのでご紹介します。
裁判所は以下のとおりの判断を示しました。
「本件事故当日は晴れていたこと,本件道路は東西に直線で伸びていること,本件穴ぼこは,東西の幅約65cm,南北の幅約50cm,深さ約6.5cmという比較的大きなものであり,また,アスファルトがはがれて土が見える状態であって,走行車両からは比較的見やすい位置・状態にあったことが認められる。そうすると,時速30km程度で走行していた原告X1においても,本件穴ぼこを発見して回避することは比較的容易であったと評価できるから,本件穴ぼこを回避しなかった原告X1には前方不注視の過失がある。」
「一方,原告X1は,本件穴ぼこの近隣に少なくとも平成25年9月頃まで居住し,本件事故当時住民票上の住所としていた事実が認められるが,どの程度本件道路を使用していたかは証拠上確定できず,かつ,本件穴ぼこがいつ生じたのかも明らかではない。そうすると,本件事故の時点で原告X1が本件穴ぼこの存在を認識していたとまでは認めることはできず,原告X1の過失は大きいとはいえない。」
「以上の事実を考慮すれば,原告X1には4割の過失があると認めて過失相殺をするのが相当である。」
このように、穴が見えやすい状況にあったことをバイク側に不利に、以前からバイク側が穴について認識していたとまではいえないことをバイク側に有利に考慮し、バイク側の過失割合を4割としました。ここでは、穴について認識していなかったことではなく、認識していたことの証拠の有無が問われているところがミソとなります。
他の裁判例でもそうですが、道路の瑕疵を被害者が認識しえたか、していたかが過失割合を判断する上で決定的に重要な要素となります。
2 街灯の不点灯と損害賠償責任
神戸地裁令和3年1月22日判決は、街灯が点灯しない瑕疵により自動車が中央分離帯に乗り上げる交通事故が発生したとして、道路管理者の市に賠償責任を認めています。
判決は、「本件街灯は、被告の道路補修課が管理する水銀灯であるが、本件事故当時、いわゆる球切れの状態で点灯していなかった。本件街灯は、その設置場所からして、本件交差点内を照らして夜間の視認性を向上させる機能を有すべきものであるところ、本件事故当時、この通常有すべき機能・安全性を有していなかったものと認められる。したがって、本件街灯の設置・管理には瑕疵がある」として瑕疵を認めています。
その上で、当該街灯が交差点内を照らす唯一の街灯であったとして、その球切れと事故との因果関係も認めています。
この事件では、近隣の建物の明かりなど、他の光源の光で視認性が確保されているかどうかも問題となりました。裁判所は、他の光源の光の問題は瑕疵ではなく、因果関係の問題だとしました。同判決は、点灯すべき街灯が点灯してないことを重視し、街灯が点灯していない場合には原則瑕疵を認める立場を取っているようです。
3 道路の段差と損害賠償責任
名古屋地裁令和2年9月29日判決は、道路の歩道部分のガソリンスタンドへの車両乗り入れ口について、車底部が路面に接触しうる構造であるとしつつ、通常有すべき安全性を欠くとは言えないとしました。名古屋高裁令和3年2月26日判決もその結論を維持しました。
名古屋地裁判決は、
・これまでどのような車両が、どのような態様で侵入した際に道路に接触したのか等は全く不明であり、少なくとも、車両の走行性能や車両の外観を大きく損なうような損傷が生じ、又は、搭乗者が傷害を負うような事故が発生したことを認められない
・車体の構造、速度、重量等により車体底部が道路に接触するかどうかに影響するものであり、すべての車両が車体底部を道路に接触させるものではないこと
などを踏まえ、通常有すべき安全性を欠くとは言えないとしていました。
車底部が路面に接触することで生ずる損傷は通常小さなものでしょう。
よって、上記各裁判例を踏まえると、かなり多くの自動車が車底をするような構造でない限り、道路設置・管理者の賠償責任は認められないということになりそうです。
4 工事中の道路の開口部に転落した事故と損害賠償
新潟地裁長岡支部平成24年3月28日判決は、工事中の道路の開口部に歩行者が転落した事故について、道路の管理者と工事業者の損害賠償義務を認めています。
同判決は、「本件道路の付近では,夜間を含めて一定程度の歩行者の通行量があることから,本件工事を施工していた被告会社の従業員としては,亡Aと同様に本件道路を横断しようとする者が現れることを予見することができたというべきである。」などとして、工事現場に歩行者が立ち入ることが予見できたため、工事業者としては、歩行者が立ち入らないようにする措置をすべき義務があったとしました。
その上で、同判決は、「人が本件道路に立ち入って本件道路内の本件開口部に転落する事故が発生することのないように,本件開口部自体を照らし出す照明を設置するなどして,昼夜を問わず,本件開口部の存在を十分に認識することができるようにするか,あるいは,本件道路に高いフェンスを設置したり,本件開口部を塞ぐ施設を設置したりするなどして,本件道路に立ち入って本件開口部に転落することを防止するに足りる措置を講じる注意義務を負っていた」としました。
この事案では、「道路の周囲に高さ約80センチメートルのバリケードを連続して設置して,その上部に赤色の点滅灯を設置し,また,本件道路の周辺に立て看板を設置するなどして安全対策を行っていた」ものですが、判決はそれでも対策としては不十分としました。
判決は、道路管理者についても、道路に瑕疵があるとして、損害賠償義務を認めています。
工事の際の開口部は、人や車が普段通行する道路に、人がわざと作出するものですから、他の道路上の欠陥に比べても、関係者は事故防止のために厳重な義務を負うということになるのです。
なお、判決は、「道路の周囲には,バリケード,点滅灯及び立て看板が設置されていた」として、75%という、極めて大きい過失相殺をしているところです。
5 水路への転落と道路の瑕疵
広島地裁福山支部平成17年2月23日判決は、自転車で道路を走行していた人が水路に転落した事故について、管理者の損害賠償責任を認めています。
同判決は、「本件事故現場においては,夜間,肉眼では本件溝蓋の途切れるところと,本件水路の開渠部分の境目を識別しにくく,そのまま本件溝蓋部分を進行して本件水路に転落しかねない危険性を有している。」としました。
判決は、これを踏まえ、「本件溝蓋の付近等には,夜間の通行者が誤って本件水路に転落することのないように危険性を知らせる標識や転落防止措置を設けたり,照明設備を設置するなどの事故防止措置をとることが必要であった」ものの、その措置がとられなかったとして損害賠償義務を認めました。
水路に転落した場合に生命に関わることを踏まえ、管理者には事故を防ぐ高度の義務が認められるものです。
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