内定取り消しは自由にできない

労災、解雇問題

1 内定取り消しの法的効力

新型コロナウイルスにより不況となった業種を中心に内定取り消しが多く発生したようです。

しかし、内定取り消しは好き勝手にできるものではありません。

以下、その要件についてご説明します。

2 客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当でなければ内定取り消しは違法

最高裁昭和55年5月30日判決は、採用の日、配置先、採用職種及び身分を具体的に明示した採用通知がなされ、その右採用通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかつたというケースにおいて、「(使用者)において採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる場合」に内定取り消しをなしうるとしました。

このように、採用内定により労働契約は成立し、「解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる場合」でなければ解約はできません。

3 採用内定当時知ることができた事実に基づく内定取り消し

最高裁判決でもい、内定取り消しができる事情については、(使用者)において採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実」でなければなりません。

この点、東京地裁令和1年8月7日判決は、以下のとおり述べて、内定前に実施可能だったバックグラウンド調査に基づく内定取り消しを無効としました。

「被告は,原告の採用に当たり,人材紹介会社においてすでにバックグラウンド調査が実施されたものと考えていたところ,原告に対する本件採用内定通知を発した後に,原告の業務能力や採用の当否について疑問が生じたことから,AやBにおける原告の勤務状況についてのバックグラウンド調査を実施し,その結果,後日判明した事情を本件内定取消の主たる理由として主張しているのであって,そもそも,本件採用内定通知を行う前に同調査を実施していれば容易に判明し得た事情に基づき本件内定取消を行ったものと評価されてもやむを得ないところである」

ですから、内定取り消しの効力を考える上では、その理由を会社としていつ知り得たかという点もポイントとなります。

4 新潟で労働問題は弁護士齋藤裕へ

新型コロナと解雇についての記事もご参照ください。

新型コロナウイルス関連の法律問題、労働問題でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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