執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 成年後見制度とは?
認知症等のため、判断能力が衰えた場合、成年後見人を選任し、その成年後見人において財産管理等を行うことができます。
この点、民法7条は、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、補佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる」と規定しています。
成年後見人が選任され、成年後見人が財産管理を行うことになると、悪徳商法や親族の使い込み等から財産を守ることができるようになります。
2 成年後見人選任の手続き
成年後見人選任手続きは家裁に申し立てて行います。
成年後見人の選任手続きは弁護士に依頼することが可能です。
成年後見人を選任する場合、通常、精神能力についての鑑定がなされる必要があります。
しかし、鑑定をするまでもないと判断される場合、鑑定なしで成年後見人が選任されることもあります。
例えば、大阪高裁令和1年9月4日決定は、診断書上、「自己の年齢、日時、場所すら回答できない状態であり、記憶力、見当識が著しく低下し、理解・判断力もほとんど喪失していることは明らか」というケースについて、鑑定抜きで成年後見人を選任すべきとしました。
成年後見人選任決定が確定するまでは申立人は申立を取り下げることができます(東京高裁平成16年3月30日決定)。
3 誰が成年後見人となるか?
ご親族の中でそれまで被後見人の面倒を見てきたような人が成年後見人となることも多いです。
しかし、親族間に争いがある場合、これまでの財産管理に不適切な面があるような場合、弁護士などの専門家が成年後見人として選任されることもありえます。
日々の世話は親族、財産管理は専門家ということもありますし、親族が成年後見人となりつつ、弁護士がその職務監督をする成年後見監督人となるということもあります。
成年後見人の人選に不満がある場合でも即時抗告で争うことはできません(広島高裁平成18年2月17日決定)。参照:成年後見人の人選について即時抗告できないとした裁判例
民法846条により、不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるとき、後見人の親族は後見人の解任を求めることができることになります。
4 成年後見人の職務
成年後見人は就任1ケ月以内に目録を作成し(民法853条)、また、毎年1回財産や収支の状況を家裁に報告することになります。
財産が大きいなどの事情がある場合には、後見監督人が選任され、後見人の事務を監督することもあります。
後見人は成年後見人の財産を管理し、その財産について被後見人を代理します(民法859条1項)。
成年後見人が被後見人の居住用建物や敷地の売却などをする場合には家裁の許可が必要となっています(民法859条の3)。
5 任意後見・信託
認知症等になった後では、その人自身が望む人が財産を管理することにはならない可能性はあります。
そこで、判断能力を失う前に、特定の弁護士等を任意後見人とする契約を締結することがあります。
また、信託契約を締結しておくことで、将来において自らの希望に沿った財産管理を行わせる方法もあります。
6 新潟で成年後見人、任意後見人、信託についてのお悩みは弁護士齋藤裕にご相談ください
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