
NHKから国民を守る党が、「ゴルフ党(NHKから国民を守る党)」に党名変更したとのことです。
また、同党はゴルフ場利用税の廃止を訴えるとのことです。
ゴルフ場利用税廃止は決して目新しい政策ではありません。
消費税導入前、娯楽施設利用税というものがあり、パチンコやボーリングとともに、ゴルフについても課税されていました。
しかし、消費税導入に伴い、娯楽施設利用税は廃止され、ゴルフ場利用税だけが残されました。
この点、日本ゴルフサミット会議は、「ゴルフ場でのプレーだけは『ゴルフ場利用税』と名称を変えて存続し、かつ新税である消費税と併課 ―― つまり“二重課税”がゴルフ場利用者即ちゴルファーに課せられるという誠に理不尽な税制にされてしまったのです。」等として、ゴルフ場利用税の廃止を訴えています。
二重課税という点については、ゴルフ場利用税が消費税の上乗せ的なものだと考えられるとしても、それは担税力や国民生活への影響等を考慮して実質税率に差を設けたものであり、不当とはいえないと考えます(消費税において軽減税率の対象となるものとならないものがあるのと同様でしょう)。
確かに、パチンコ等については課税されず、ゴルフ場だけ課税されるのであれば不公平という主張が出てくるのは理解できます。
しかし、そもそも、消費税廃止に伴い、娯楽施設利用税、特にパチンコに対する課税を廃止したことが大問題だったのではないでしょうか。
言うまでもなく、政府や自治体の財政は楽ではありません。
パチンコ税を導入すればかなり財政的には楽になります。
一般社団法人日本遊戯関連事業協会のサイトによると、平成29年におけるパチンコ業界の売り上げは約29兆円です。これに5パーセントの税率で課税するだけで1兆5000億円程度となります。財政再建にとって極めて有益であることは明らかです。実際、東京都等においてはパチンコ税の導入が検討されてきました。
政府や自治体の財政のことを考えるのであれば、ゴルフ場利用税の廃止ではなく、ゴルフ場利用者だけ二重課税を課されるという不公平を解消するため、パチンコ税の復活こそが実現されるべきものです。諸外国でもカジノのような賭博には特別な課税がされているところです。
そう考えるとゴルフ場利用税の廃止について政策的合理性が極めて乏しく、むしろゴルフ場利用税を存置した上で、パチンコ税の復活をこそ議論すべきと考えます。
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