整理解雇はどのような場合に有効となるのか? 新潟県で解雇のお悩みはご相談ください

労災、解雇問題

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

新潟県の労働事件は弁護士齋藤裕にお任せください

1 整理解雇について

整理解雇については、労働者に責任がないことから、その効力は厳格に判断されます。

人員削減の必要性、整理解雇選択の必要性、被解雇者選定の合理性、手続きの妥当性の4要件ないし4要素を考慮して効力が判断されます。

人員削減の必要性については認められることが多く、整理解雇の効力が否定される場合の多くは、そのほかの要素が否定される場合です。

過去最高の業績中の整理解雇を認めた裁判例をご参照ください。

手続きの妥当性が否定され、整理解雇の効力が否定された裁判例

東京地裁令和3年12月21日判決は、人員削減の必要性、整理解雇選択の必要性、被解雇者選定の合理性を認めつつ、手続きの妥当性を否定し、整理解雇の効力を否定しました。

すなわち、同判決は、「被告は,令和2年3月頃の時点で既に大部分の店舗経営から撤退する方針を決めていたにもかかわらず,原告に対し,本件解雇予告通知書を送付する直前に「近日中に重要な書類が届くので確認しなさい。」という趣旨のことを電話で伝えただけで,整理解雇の必要性や,その時期・規模・方法等について全く説明をしなかった。」として整理解雇の効力を否定したのです。

なお、同訴訟で使用者は、「被告は,資金ショートによる倒産回避のために事業停止をしなければならない高度の必要性があったことや,解雇対象となる労働者が全国に点在していたことから,説明会を開くことは現実的に不可能であり,その時間的余裕もなかった旨」主張しました。

しかし、判決は、「解雇は,労働者から生活の手段を奪うなど,その生活に深刻な影響を及ぼすものであるから,社会通念上相当と認められるものでなければならず,特に本件解雇のように労働者側には帰責性がないにもかかわらず,専ら使用者側の事情によって行われる整理解雇の場合には,使用者は,信義誠実の原則から(労働契約法3条4項参照),対象となる労働者に対し,整理解雇の必要性や,その時期・規模・方法等について十分に説明をしなければならず,労働組合等がなく,全労働者を対象とする説明会を開くこともできない場合であっても,個別の労働者との間で十分な説明・協議をする機会を設ける必要があるというべきである。」として、事業停止の高度の必要性があり、かつ、説明会開催が困難であっても、個別の労働者に対する説明をすべきであったとしています。

整理解雇の労働者に与えるダメージを考慮すると妥当というべきでしょう。

解雇回避努力を尽くしたとはいえないとされた裁判例

横浜地裁令和4年4月14日判決は、強制捜査を受け自主的な営業停止をしている間にされた整理解雇について、

・営業許可取消処分がされ、将来にわたって営業が不可能となることが確実と判断しうる状況にはなかったこと

・使用者には代表者からの借り入れ以外に借り入れもなく、所在地の土地建物には担保もふされていなかったこと

等から解雇回避努力をすべき状況があったのに、行わなかった等として整理解雇を無効としました。

整理解雇の労働者に与えるダメージを考えると、解雇回避努力を尽くさなくても整理解雇が有効とされるのは、会社経営が近いうちに不可能となることがかなり確実に予測されるような状況に限られると解するべきでしょう。

2 新潟で解雇のお悩みは弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)へ

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