テニスのクラブ活動・部活動中の事故と損害賠償(学校事故)

交通事故

他のスポーツと同じく、学校でのテニスのクラブ活動・部活動中の事故について、学校側に賠償責任が認められる場合があります。

以下、解説します。

1 生徒がテニスコートに近接するコンクリート壁に衝突して負傷した事案

東京地裁令和4年3月2日判決は、課外のクラブ活動中としてのテニス大会の試合において、生徒がテニスコートの近くのコンクリート壁にぶつかり、ケガをしたという事案について、学校側の賠償責任を認めています。

まず、同判決は、テニスの規則の制定団体等において、「公式試合に使用するテニスコートの規格として、ベースラインから後方の端までの距離を6・4m以上、サイドラインから側方の端までの距離を3・66mという基準を設けていることに照らすと、テニスの試合では、一般に、テニスの選手はその範囲で試合中にボールを追いかけて動き回ることが想定されているものと考えられる」としました。

しかし、当該ケースでは、上記基準におけるベースライン後方の端からわずか0・2mの位置に壁が存在していたので、選手がその壁に激突することが予見できた。それにも関わらず防護マットの設置等の措置をとらなかったとして、学校側の賠償責任を認めました。

このように、テニスにおいてケガをしないように、学校側には、設備の安全性を確保する義務があるのです。

2 ネットを張るためのハンドルが顔にぶつかった事故

宮崎地裁平成31年2月1日判決は、課外クラブ活動の軟式テニス部の部活動中,テニスコートのネットを張るためのハンドルが顔面にぶつかったという事故について、学校側の賠償責任を認めています。

同事件では、教員及びコーチが,生徒に対し,器具の正しい使用方法及び誤った方法で使用した際の危険性を指導すべき注意義務に違反し,その結果,事故が発生した点について争いはなく、裁判所も賠償責任を認めました。
この事件では過失相殺が争われていましたが、長期間指導が行われていなかったこと等を踏まえ、過失相殺は否定されています。

ネットを張るためのハンドル等、危険性を伴う器具の取り扱いについて、教員らには生徒らに適切に指導する義務があります。

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