特別室使用料、差額ベッド代と損害(交通事故)

交通事故

交通事故で入院した場合でも、必ず特別室使用料、あるいは差額ベッド代が賠償として認められるわけではありません。

差額ベッド代が賠償の対象となるためには一定の合理性が求められます。

1 差額ベッド代の賠償が認められる場合

例えば、東京地裁平成28年11月17日判決は、被害者が右上腕骨骨幹部骨折,右寛骨臼骨折,脳挫傷等の傷害を負ったケースで,「その傷害の内容,程度等に照らすと,差額ベッド代全額を本件事故と相当因果関係のある損害とするのが相当である。」としています。

このように、傷害の程度などから差額ベッド代が賠償対象となる場合があります。

2 差額ベッド代の賠償が認められない場合

他方、神戸地方裁判所平成25年1月28日判決は、「原告は,E病院に入院した際,自らの希望により,差額ベッド代を要する個室を使用したことが認められる。そうすると,本件事故と相当因果関係のある治療費は,差額ベッド代を除いた治療費合計230万0240円(291万6240円-61万6000円)と認められる。」としています。

つまり、差額ベッド代の合理性がなく、被害者と医療機関の合意により特別室に入院した場合、差額ベッド代は賠償対象とはなりません。

3 差額ベッド代のうち一部のみ賠償対象となる場合

差額ベッド代の賠償自体は認められても、そのうち一部しか賠償対象とならない場合もあります。

東京地裁平成23年6月14日判決は、1万2600円から4万2000円の差額ベッド代を要した事案について、その病院に入院する必要性がなかったことや他の病院の差額ベッド代額を踏まえ、1日あたり1万円のみ差額ベッド代を認めています。

救急搬送された先であるなどを別として、特に差額ベッド代が高額な病院に入院する場合、その病院に入院する必然性がないと、差額ベッド代が満額賠償対象とならない可能性があることに注意が必要です。

4 医療機関からの差額ベッド代請求が認められない場合

なお、明確な合意もない場合、そもそも医療機関からの差額ベッド代の請求が認められないことになります。

この点、厚生労働省の通知は、ⅰ 救急患者などで常時監視と適時適切な看護が必要な場合、ⅱ 他の病床が満床であるため特別室に入院せざるをえず、実質的に患者の選択によらずに特別室に入院させられた場合については患者に差額ベッド代の請求をしてはいけないとしています。

ですから、そもそも医療機関との関係で差額ベッド代の支払いを拒否すべき場合もあるということです。

 

交通事故でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

 

 

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