代替労働力と休業損害(交通事故)

交通事故

交通事故で休業し、収入が減った場合、その分が休業損害として賠償の対象となることはよくあることです。

それとは別に、営業を継続するため、代替労働力を雇い入れることもあります。

そのような場合、代替労働力の雇い入れの費用などが休業損害として賠償の対象となることもあります。

さいたま地裁越谷支部平成28年5月26日判決は、以下のとおり述べて、被害者の休業に伴う代替労働力の費用について賠償の対象としています。

「原告は,水道設備業を1人で営む事業所得者であり,水道管等の取付け,水道設備等の漏水のチェック,修理,取替えなどを主な業務としている(甲13,51の1ないし同11)。」
「原告の収入金額は,平成22年は1315万5722円,本件各事故が発生した平成23年は1227万2635円であり,若干減少したものの,平成24年は1324万5261円,平成25年は1359万4888円と,本件各事故前の額を上回っている。一方,原告は,本件各事故による傷害によって,業務に支障が生じたことから,本件各事故後に代替労働力を使用しており,その費用は,平成23年から症状固定日である平成24年6月1日までで174万5400円であった。」

「平成23年及び平成24年において,収入金額がほぼ維持されたのは,原告が,本件各事故後,それまでに使用しなかった代替労働力を使用したためであって,その費用は,平成23年から症状固定日である平成24年6月1日までで174万5400円であったところ,これは本件各事故による損害といえる。」

このように、同判決は、代替労独力の費用のみ休業損害として認めています。

また、東京地裁平成25年7月16日判決も、以下のとおり述べて、代診の費用を損害として認めています。

「証拠(甲42,776,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,D医師に対し,平成20年6月4日から同年10月16日まで,本件クリニックにおける診療業務の一部の担当を依頼し,その代診費用として合計90万円を支払ったと認められる。」
「原告は,本件事故の翌日から本件クリニックにおける診療業務に従事している(甲721)が,原告が本件事故により負った傷害の内容及び程度(前記(1)及び(2))に照らすと,ネックカラーが外れた平成20年8月18日まではもちろん,その後の一定期間においても,原告にとって,痛み等を抱えつつ,本件クリニックを受診する種々の患者に個々に対応し,診察や検査を行うという業務に従事し続けることは,相当の困難と労苦を伴ったであろうことは,容易に推認することができる。」
「そうすると,平成20年6月から同年10月中旬までという本件事故から約4か月半の期間において,週1回程度(ほぼ木曜日),原告が自ら従事すべき診療業務の一部の代替を1回当たり5万円で他の医師に依頼し,本件クリニックの診療体制を維持することによりその収入の確保を図るということは,損害の拡大を防ぐという観点からも,なお相当性を有するものということができ,収入を確保するために余計に要した経費として,後記(9)の休業損害とは別に本件事故によって生じた損害であるということができる。」
「したがって,D医師に対する代診費用90万円の支払は,本件事故と相当因果関係のある損害であると認められる。」

 

なお、代替労働力を導入しても、収入減がある場合、代替労働力の費用と減収分が休業損害として認められます。

交通事故でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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