勤務先が経営破綻 そのとき労働者はどうする? 新潟県の労働問題は御相談ください

労災、解雇問題

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

新潟県の労働事件は弁護士齋藤裕にお任せください

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1 経営破綻と労働者の給料

会社倒産の際、そこに勤務する労働者は失業手当を受給するのは当然ですが、未払い賃金があったとき、どう対応したらよいのでしょうか。

以下、解説します。

2 未払賃金立替制度

未払賃金立替制度は、1年以上事業活動を行っていた使用者(会社)が、倒産した場合に、労働者が未払賃金の立替を受けることができる制度です。

ここでいう倒産には、法律上の倒産(破産など)、事実上の倒産が含まれます。

申請できる労働者は、倒産の6ケ月から2年の間に退職した労働者です。

支給されるのは、退職日の6ケ月前から立替払い請求までの間の賃金の8割であり、ボーナス分は含まれません。

同制度をご利用の方は、労基署にご相談してみてください。

3 先取特権による回収

未払賃金立替制度は、上記のとおり支払額などにおいて限定があります。

そこで、会社資産(売掛金など)がある場合、ボーナスを含めた賃金を先取特権により回収するという方法がありえます。

この先取特権は、労働者の賃金について認められた権利であり、他の債権に比べ優先して財産からの回収をすることができます。

先取特権については、民法第三百六条が、「次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。二 雇用関係」と定めているところです。

この先取特権に基づき財産の差し押さえをする場合、先取特権を証明する文書を裁判所に出す必要があります。

ですから、賃金を証明する文書を集めることが重要です。

例えば、売掛金については、会社に支払われてしまうとお終いですから、一刻も早く手続きに着手する必要があります。

会社に資産があり、そこから賃金を回収したいという場合、まず弁護士齋藤裕にご相談ください。

4 民事再生法適用申請と解雇

会社更生法下の日本航空における整理解雇の効力を判断した東京地裁平成24年3月30日判決は、以下のとおり述べて、法的整理手続きにおいても整理解雇法理に基づき整理解雇の有効性が判断されるべきだとしました。

「本件解雇は,被告の就業規則52条1項(4)の「企業整備等のため,やむを得ず人員を整理するとき」を理由とする整理解雇であるところ,上記1で判示したとおり,会社更生手続下における整理解雇についても,いわゆる整理解雇法理の適用があると解するのが相当である。」
「したがって,本件解雇の効力を判断するに当たっても,本件解雇にいわゆる整理解雇法理の適用があるとの前提で,以下,① 人員削減の必要性の有無,程度,② 解雇回避措置の有無,程度(解雇回避措置実施の有無,内容等),③ 人選の合理性の有無(本件人選基準の合理性等),④ 解雇手続の相当性(労使交渉の経緯,不当労働行為性等も含む。)を具体的に検討し,これらを総合考慮するのが相当である。」

このような考え方は民事再生法にも妥当しますし、実際に民事再生法適用申請がなされた会社について整理解雇が無効とされた事例もあります。

例えば、民事再生法適用申請をした会社(紡績業)における整理解雇の有効性が問題となった名古屋高裁平成18年1月17日判決は、以下のとおり述べて、整理解雇を無効としました。
〇人員削減の必要性
「控訴人において,紡績業の継続を前提とした再生計画案は立案が困難で,廃止がやむなく,人員削減の必要性があることを主張立証すべきであ」るが、これがない。
〇解雇回避の努力がない。
〇解雇前に紡績業の継続が困難であるとの従業員への説明が不十分(十分されたという主張は許されない)

実際、民事再生法適用申請案件では整理解雇のハードルが下がるのは間違いありませんが、ただちに解雇有効になるわけではありません。
解雇に納得がいかない方は弁護士に相談してみてください。

5 新潟の労働事件でお悩みの方はご相談ください

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