執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 Googleマップの口コミ削除
事業者の方にとってGoogleマップは集客やSEOのために有効なツールであり、重視している方も多いでしょう。
他方、根拠のない、あるいは不合理な誹謗中傷を書かれ、困っている方もいると思います。
Googleマップ自体から削除を依頼する、プラスの書き込みをしてもらいマイナスの書き込みを埋もれさせるよう努めるなど、対応の方法は色々ありえます。
しかし、Googleマップ自体から削除依頼に対する反応は鈍く、最終的には法的手段を取るほかない場合もあるでしょう。
そこでGoogleマップへの口コミ削除等についての裁判例をご紹介します。
2 Googleマップの口コミ削除についての裁判例
人や会社、法人の社会的評価を低下させる書き込みは名誉棄損等として原則違法ですが、さらに、
・公共の利害に関する書き込みではない
・書き込みが公益を専ら図る目的でなされていない
・書き込みの重要な部分が真実ではなく、真実であると信じることに相当性がない
のいずれかを満たす場合に仮処分での削除が認められると考えられます(東京高裁平成30年6月18日決定等)。
上記東京高裁決定はGoogleマップの口コミ削除についての裁判例であり、Googleマップの口コミ削除についても上記と同様の基準で判断されます。
ただし、Googleマップの口コミ削除については、一般の場合と比べ、比較的削除に抑制的な判断がなされてきました。
近時では、大阪地裁堺支部令和1年12月27日決定は、歯科医院についての口コミについて、「(書き込みをした)患者が見聞きした範囲内で体験した事実や感想を記載したものに過ぎないことは、本件サイトや本件記事の内容から明らか」、「これとは異なる肯定的な評価をする記事が存在すること」等を踏まえ、書き込みが「受忍限度を超えて社会的評価を低下させるものとは認められない」として、削除を認めませんでした。
この他、Googleマップの口コミの公益性を強調して、削除に慎重な裁判例もあります。
以上のとおり、裁判所は、Googleマップの口コミの削除請求については腰が引けている部分があるのですが、それでも削除を命じた裁判例もあり、容認できない書き込みについては毅然と法的手段を取ることを検討すべき場合もあるでしょう。
3 ネット上の書き込みについてのお悩みはご相談ください
ネット上の書き込み削除についての一般的な記事
もご参照ください。
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