執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 高速道路で駐停車していた自動車に他の自動車が追突した交通事故と過失割合
高速道路で駐停車していた自動車に他の自動車が追突した交通事故の過失割合について、別冊判例タイムズ「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」は、
ⅰ 過失等により本線車道等に駐停車した自動車に対する追突事故 被追突自動車の基本的過失40%(図320)
ⅱ 過失なく本線車道等に駐停車した自動車に対する追突事故(被追突車に退避懈怠又は停止表示器材設置懈怠の過失がある場合) 被追突自動車の基本的過失20%(図323)
ⅲ 過失なく本線車道等に駐停車した自動車に対する追突事故(被追突車に退避懈怠又は停止表示器材設置懈怠の過失がない場合) 被追突自動車の基本的過失0%(図326)
ⅳ 路肩等に駐停車中の自動車に対する追突事故 被追突自動車の基本的過失0%(図327)
とされています。
2 高速道路で駐停車していた自動車に他の自動車が追突した交通事故と過失割合の裁判例
大阪地裁平成20年5月14日は、「高速道路上に,自己の落ち度により停車していた四輪車に,後方から走行してきた四輪車が追突した場合の過失の基本割合は,一般的には停車側よりも衝突側の過失の方が大きいものの,停車側の過失も決して少なくないと考えられる。このことに,前記認定のとおり,当時の道路状況のもとで,制限速度を40キロメートル以上超過して走行したためハイドロプレーニング現象を起こして自車を制御できなくなったという重過失及び夜間視界不良な高速道路上に停止したことを被告側の過失として,他方,制限速度を20キロメートル以上超過して走行したこと及び被告車両の発見が遅れたという著しい過失をA側の過失として,それぞれ考慮すると,本件事故におけるAと被告の過失割合は,被告が6割,Aが4割と認めるのが相当である。」としています。
同判決は、まず、被告が制限速度を40キロオーバーして走行したために高速道路上に停車したことについて、被告の過失があったとしました。
ですからⅰのケースとして考えています。
ですから、基本的な過失割合は、被追突車:追突車=40:60となります。
夜間であるため視認不良ということで、被追突側10%加算され、50:50となります。
さらに、被追突側の速度違反の過失、追突側の速度違反の過失を考慮し、被追突側の過失を10%増しとし、最終的に60:40としています。
これは被追突側の速度違反が40キロオーバーであり、20キロオーバーの追突側より過失がかなり大きいと考え、10%被追突側に加算したと思われます。
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