家屋改造費等について(交通事故)

交通事故

交通事故で重い後遺障害が残った被害者については、自宅でそのまま生活することに支障があり改修が必要な場合、バリアフリー化などのための家屋改造費が賠償の対象となりえます。

1級、2級の後遺障害の場合には家屋改造費が賠償の対象として認められやすいですが、3級以下であっても認められることはありえます。

12級で家屋改造費を認めたものとしては京都地裁平成14年12月12日判決があります。

同判決は以下のとおり判断を示して家屋改造費分の賠償を認めました。

 

証拠(甲24の1ないし3,甲25,甲26ないし28の各1,2,甲29の1ないし4,6ないし10,甲30,原告本人)及び弁論の全趣旨によると,原告は,本件事故による後遺障害のため,自宅での家事,歩行に困難を来すようになり,家屋内の段差の解消,台所流し台の改造,廊下,浴室,トイレ等への手すりの設置等の改造を行い,その費用として313万1400円を支出したことが認められるところ,上記(5)ア記載の後遺障害の内容及び程度並びに症状固定当時の原告の年齢に照らし,上記の家屋改造は相当なものであったと認められるから,上記金額を本件事故と相当因果関係に立つ損害と認める。

 

賃借物件で暮らしていた被害者については、より高い賃料の住居に引っ越さざるを得なかったとして、賃料の差額分の賠償が認められる場合もあります。

例えば、東京地裁平成7年3月7日判決は、以下のように述べて、賃料差額の賠償を認めています。

 

 原告は、前記の後遺障害が残ったため、従前居住していた家屋に居住することができなくなり、住居を移転したため、一か月あたりの家賃が従前に比較して五万八二三〇円増加したことが認められ、右家賃の差額につき本件事故と相当因果関係を有する損害としては五年分が相当である従来の住宅について改修に限度があるような事情があれば、新たにマンションなどを購入する費用が賠償の対象となることもあります。

 

いずれの場合についても、同居者も利益を得ているとして、費用の全額が賠償の対象とならない可能性があります。

例えば、東京地裁平成17年3月17日判決は以下のとおり判断を示しています。

 

現在の自宅内の状況では、段差やドア等があるため、車椅子での移動を円滑に行うことができないこと、車椅子のままでの洗面台の使用が困難であること、浴室内の段差が大きいことが認められる。前記二(2)の原告一郎の後遺障害の内容・程度及び介護の状況を総合すると、このような不都合を解消するため、部屋を拡充し、浴室や洗面所等を改修する必要性が認められる。そして、そのための費用は、甲五一の見積費用一三〇二万円(消費税込み)のうち、ホームエレベーター設置のための費用五七二万五二七二円)消費税込み。前記(ア))を除いた七二九万四七二八円であるところ、浴室、洗面所、廊下等のバリアフリー化や居室の拡充はいずれも原告一郎だけでなく、同居する家族の生活の利便性を向上させるものでもあることも考慮すると、その約七〇%に当たる五一〇万円をもって本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。

 

交通事故でお悩みの方は弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

 

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