後遺障害等級11級の慰謝料(交通事故)

交通事故

交通事故で後遺障害等級11級の後遺障害が残った場合について、民事項通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻2019(いわゆる赤本)は、420万円を慰謝料の目安としています。

しかし、実際には、事情により、さらに高額の慰謝料が認められることもあります。

例えば、大阪地裁平成27年7月31日判決は、以下のとおり述べ、慰謝料600万円を認めています。

「原告の勃起障害の原因が医学的に説明されているとはいえず,したがって,医学的に性交渉が不能とまでは認められないものの,陰茎の疼痛により性交渉が事実上不可能であると認められることをも考慮すると,後遺障害慰謝料は600万円とするのが相当である。」

このように性交渉ができなくなった可能性があることを踏まえ、高額な慰謝料が認められたものです。

また、東京地裁平成16年3月23日判決は、以下のとおり述べて、590万円の慰謝料を認めています。

「原告の後遺障害の内容(等級表併合11級),残存する後遺障害の生涯にわたる症状負荷の可能性,眼瞼下垂などによりホステス業および女優としての活動が困難になったという事情,心理的なストレス,歯牙障害,事故後の被告側の対応を考慮すると,本件事故に起因して発生した原告の後遺障害による慰謝料としては590万円を認めるのが相当である。」

ここでは、加害者の対応とあわせ、被害者の職業生活が困難になったという事情が重視されています。

東京地裁平成13年8月7日判決は、以下のとおり述べて、慰謝料500万円を認めています。

「原告の後遺障害慰謝料については,基本的には後遺障害等級併合11級の基準慰謝料として390万円となるが,原告が未婚女性として,本件後遺障害により,多大な苦痛や困難を受けることを考慮すれば,約3割増額した原告主張どおりの500万円とするのが相当である。」

当該訴訟の被害者には醜状障害などの後遺症があり、それが未婚の女性にとっては重大な苦痛をもたらすとしているわけです。

以上のとおり、諸裁判例においては、被害者の属性との関係で、当該後遺障害がいかなる支障をもたらすかを検討した上で、慰謝料額を認定していることがわかります。

場合によっては、後遺障害の等級だけではなく、被害者にもたらす具体的影響についても主張立証する必要があるのです。

 

交通事故でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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