後遺障害等級14級の場合の慰謝料

交通事故

民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)2019(いわゆる赤本)は、14級の後遺障害等級の場合の慰謝料の目安を110万円としています。

後遺障害等級14級というと、他覚所見のない頚椎捻挫など、頻繁にみられる等級です。

慰謝料額については様々な事情に応じて増額することもあります。

例えば、神戸地裁平成8年7月11日判決は、以下のとおり述べ、300万円の慰謝料を認めています。

「原告は、長さ三センチメートル以上の線上跡が原告の鼻の右側に存在し、しかも斜鼻変形と短鼻変形もあって、外見上口の部分がゆがみ、顔が多少変わってしまっている旨主張する。
そして、甲第三号証の三、検甲第一号証の一ないし三、第二号証の一及び二、原告本人尋問の結果によると、原告の右主張が一応認められる上、原告が本件事故当時満二四歳の未婚の女性であったこと、本件事故直後の顔面のゆがみは、相当顕著であったこと、本件事故後、原告が笑顔に対する自信を喪失したことが認められるなど、これにより原告に慰謝すべき精神的苦痛をしえたことを否定することはできない。
 しかし、弁論の全趣旨(具体的には、原告の本人尋問の際の当裁判所の直接の見分)によると、現時点においては、原告の鼻のゆがみは、指摘されてはじめてその存在が認められる程度のものであり、もとより、他人に不快感を与えるという性質のものでは全くなく、その存在にもかかわらず、原告の外貌は十分に魅力的であることが認められる。
第二に、原告の下肢部の瘢痕拘縮性ケロイドについては、自動車損害賠償責任保険の後遺障害等級認定手続において、自動車損害賠償保障法施行令別表一四級五号(下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの)に該当する旨の診断を受けたことは当事者間に争いがなく、原告も、これを超える等級に該当する旨の主張はしない。
ところで、原告の下肢部の瘢痕拘縮性ケロイドの状態は先に認定したとおりであるが、原告本人尋問の結果によると、若い独身の女性である原告が、右各瘢痕に苦痛を感じ、日常生活においてもその影響が及んでいるのみならず、将来の恋愛・結婚等に対して少なからぬ不安を覚えていることが認められ、かつ、客観的に考えて、原告がこのような精神的苦痛を感じるのも当然のことであるというべきである。
 しかし、恋愛・結婚をはじめとして、人間としての魅力が、単なる外面上の美醜ではなく、本質的には、その人の内面的な輝きによって決せられることは他言を要しないところでもあり、弁論の全趣旨(具体的には、原告本人尋問における原告の陳述態度)によると、本件事故による右後遺障害にもかかわらず、原告の内面的な魅力は何ら失われていないことが認められる。
 そして、これら本件にあらわれた一切の事情を考慮して、前記の慰謝料を算定した次第である。」

このように、同判決は、若い女性において醜状障害を受けたこと、それが恋愛・結婚に与える影響について不安などを考慮し、高額の慰謝料を認めています。

このように、後遺障害の慰謝料については、その具体的影響により金額が左右されることがありえます。

 

交通事故でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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