在宅ワークで外耳炎となったときに労災が認められるのか?

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 リモートワークと外耳炎

報道によると、リモートワークの普及で、イヤフォンによる外耳炎の発症が増えているとのことです。

イヤフォンを長時間つけない、清潔にするなどの対策が重要であるようですが、外耳炎になってしまった場合、補償等はどうなるのでしょうか?

 

2 イヤホンによる外耳炎と労災

 
労働者災害補償保険法は、以下のとおり定め、業務上の負傷については保険給付がなされるとしています。
 
第七条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付

外耳炎の場合、現実的には療養補償給付がなされるかどうかが問題となります。

つまり、外耳炎の治療費が労災保険から出るかどうかということです。

この点、リモートワークのため家で仕事をしている場合でも、業務上の負傷とされ、労災保険の給付がなされる可能性があります。

菅野和夫著「労働法第12版」650頁も、「事業主の支配下にあるが、その管理を離れて、業務に従事している際の災害」、「事業場外で労働しているときや出張中の災害」については業務上の負傷とされるとしています。

イヤフォンをしてのリモートワークは、多くの場合事業主の命令により行うものですので、事業主の支配下にあるとの要件を満たすと言えるでしょう。

ですから、リモートワークでのイヤフォン装着により外耳炎となった場合、イヤフォン装着と外耳炎との因果関係さえ認められれば労災保険の給付がなされることが多いということになります。

3 会社の安全配慮義務

なお、会社において、労働者において耳の不調を訴えているにも関わらず、ヘッドフォンの利用をうながしたり、貸与などをする措置をとらなかった場合、会社に安全配慮義務違反があったとして、通院日数・期間に応じた慰謝料等の支払義務が発生する可能性がありますので、労働者だけではなく、会社も労働者が外耳炎とならないよう細心の注意を払う必要があります。

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弁護士齋藤裕は、20年以上じん肺や新潟市民病院医師過労死事件など労災の裁判に関わってきました。

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