
執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 本日、トンネルじん肺根絶訴訟の和解が成立
本日、私も弁護団に入っている、トンネルじん肺根絶第6陣訴訟について、新潟地裁で和解が成立しました。
この訴訟は、トンネル工事の坑夫をしていた原告らが(遺族も含みます)、トンネル工事で浴びた粉じんでじん肺になったとして、トンネル工事を施工していたゼネコンを訴えたものです。
全国7地裁に提訴をしており、新潟地裁での和解は全国で4番目のものということになります。
提訴は2018年12月18日でしたので、2年弱での解決となります。この手の大型訴訟としてはかなり早期の解決ということになります。
今回和解が成立したのは15人の原告、和解したゼネコンは83社ということになります。
和解金総額は1億9528万7550円(1人あたり900万円から1400万円まで)となります。
2 トンネルじん肺根絶訴訟の達成したものと残された課題
この訴訟は、損害賠償だけではなく、トンネルじん肺の根絶、患者が簡易に救済される制度であるADRの創設も目的としたものでした。
トンネルじん肺根絶訴訟では、これまで国の責任を認める勝訴判決も出ており、勝訴判決をてこに、2007年6月18日、原告団・弁護団と国との間で、トンネル建設工事におけるじん肺対策を強化することを約束させる合意も成立しています。これに基づき、これまで、じん肺防止のために重要な意義を有する「粉じん障害防止規則」の改正や、公共工事の積算基準における粉じん作業時間の短縮等を実現させてきました。
今回和解が成立した6陣訴訟中にも、トンネル建設工事労働者の健康情報管理システム、坑内作業場の切り羽付近の粉じん濃度等の測定義務付けなど、じん肺防止にとって重要な意義のある対策を実現させてきました。
しかし、現時点では、ADR制度は実現していません。
今回の訴訟は異例の2年弱という短期間で解決しましたが、より早く、かつ、簡易に救済がなされるADR制度の創設は実現しなければなりません。
これまで訴訟などを起こしておらず、救済がなされていないトンネルじん肺患者は新潟県内にも多くいると思われます。
私達は、ADRの早期実現のため、今後も取り組みを継続してまいります。
皆様のご支援よろしくお願いします。
3 新潟で労災のご相談は弁護士齋藤裕へ
弁護士齋藤裕は、25年間じん肺の裁判に関わり、また、アスベスト労災で逆転認定を勝ち取るなどしてきました。
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