高圧線近くでの作業ではどのような安全配慮義務があるのか?(労災)

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 高圧線近くでの作業と安全配慮義務

高圧線近くでの作業では、感電等の事故が発生することがあり、電線の近くで作業をさせる使用者には高度な安全配慮義務が課せられています。
以下、解説します。

2 高圧線の近くで高所作業車を使って作業する場合についての法令の規定

法令上、高圧線の近くで高所作業車を使って作業する場合において、使用者には以下の義務が課せられています。

労働安全衛生規則

(高圧活線近接作業) 第三百四十二条 事業者は、電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が高圧の充電電路に接触し、又は、当該充電電路に対して頭 上距離が三十センチメートル以内又は躯(く)側距離若しくは足下距離が六十センチメートル以内に接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければ ならない。ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行なう場合において、 当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触し、又は接近することにより 感電の危険が生ずるおそれのないときは、この限りでない。 2 労働者は、前項の作業において、絶縁用防具の装着又は絶縁用保護具の着用を事業者から命じられたときは、これを装着し、又は着用しなければならない。

(工作物の建設等の作業を行なう場合の感電の防止)

第三百四十九条 事業者は、架空電線又は電気機械器具の充電電路に近接する場所で、工作物の建設、解 体、点検、修理、塗装等の作業若しくはこれらに附帯する作業又はくい打機、くい抜機、移動式クレー ン等を使用する作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が作業中又は通行の際に、当該 充電電路に身体等が接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各 号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。 一 当該充電電路を移設すること。 二 感電の危険を防止するための囲いを設けること。 三 当該充電電路に絶縁用防護具を装着すること。 四 前三号に該当する措置を講ずることが著しく困難なときは、監視人を置き、作業を監視させること。

3 高圧線の近くで作業して発生した事故についての裁判例

高圧線の近くで作業をしていたために発生した事故についての裁判例としては、大阪高裁昭和53年4月20日判決、東京地裁平成28年6月27日判決等があります。

大阪高裁昭和53年4月20日判決は、ビルの建築現場で作業中の被害者が持っていた鉄製パイプが高圧線に触れ、被害者が墜落したという労災事故についての判決です。

同判決は、使用者が被害者に命綱を使わせていなかったことともに、電力会社に頼んで防護管を設置してもらっていたものの、その防護管でおおわれていなかった部分があったとして、「防護管の損傷の有無等(防護管の施していない露出充電部分があることは右規則にいう損傷とみるのが相当である。)について点検していないのであるから、この点で被控訴人らに過失があった」としました。

東京地裁判決は、当該訴訟の被告について、

・本件作業現場に監視人(監視責任者)を置いておらず,また,それに代わる措置を講じていない

・急な作業内容変更により、高圧送電線にクレーンのブームが接近する危険が生じたので、受託会社の従業員に対して高圧送電線に注意するよう促したり,ブームが高圧送電線に接近することがないか監視したりする注意義務があったのに、高圧送電線の存在について何ら注意を与えておらず,また,本件作業が行われている際,本件クレーン車の付近にいながら,クレーンのブームの旋回中,同作業から目を離していた

として、過失を認めています。

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