執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 祭祀に関わる遺産と相続
2 祭祀に関わる遺産の範囲
3 誰が祭祀承継者となるか?
東京高裁令和5年10月12日決定は、誰が祭祀承継者となるかについて、祭祀承継者の指定や慣習がない場合において、以下のとおり一般的判断基準を示しています。
「承継者と被相続人との身分関係、過去の生活関係、承継者の祭祀主宰の意思や能力等を総合的に考慮して判断することとなる。」
その上で、
ⅰ 被相続人は、婚姻以降、相手方Y1と居住する住居を一貫して住民登録上の住所としていただけでなく、平成26年12月に△△の自宅が火災に遭った後にその所在地に二世帯住宅を建て直し、相手方Y2にもそこに住むよう求めて居住させていたこと
ⅱ 被相続人の死亡直前の令和2年12月の各入院の際には、相手方Y3や相手方Y2が連絡先となっていること
ⅲ 被相続人の死亡時においては、Y2が喪主となって葬儀が行われ、被相続人の遺骨は本件墓地に埋葬されて、現在相手方Y2が本件墓地の永代使用につき墓地管理者から承諾を得ており、被相続人の祭祀財産である位牌や仏壇も相手方ら住所地に所在すること
等を踏まえ、Y2と祭祀承継者としました。
このように、生活上の関連性、葬儀等における現実の行動などをもとに祭祀承継者が指定されることになります。
なお、当高裁決定は、分骨についても判断を示しています。
同決定は、「被相続人が相手方らとの間で有した生活関係等や、被相続人がその母や弟と共に埋葬されている本件墓地の管理状況、従前の祭祀への抗告人の参加状況等、上記1に説示した諸事情にも照らすと、抗告人が主張する上記の点をもって遺骨を抗告人にも取得させるのが被相続人の合理的意思であるとまではうかがえず、被相続人の遺骨を分骨して抗告人に取得させるべき特別の事情に該当するということもできない」として分骨を否定しました。
分骨の請求は認められる余地はあるものの、現実には、被相続人が分骨の意思があったと言える特別の事情が必要であり、そのハードルは高いと言えます。
4 祭祀に関わる遺産の承継の拒否
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