婚姻費用支払義務が認められない場合

さいとうゆたか弁護士

1 婚姻費用支払い義務が認められない場合

夫婦であれば、双方の収入に応じて婚姻費用を支払う義務が発生するのが原則です。

しかし、例外的に婚姻費用支払義務がないとされる場合があります。

以下、検討します。

2 有責配偶者からの婚姻費用請求

東京高裁平成31年1月31日決定は、暴力を行い、婚姻関係破綻について主な責任を負っている配偶者から他方配偶者への婚姻費用請求について、「別居及び婚姻関係の悪化について上記のような極めて大きな責在があると認められる相手方が,抗告人に対し,その生活水準を抗告人と同程度に保持することを求めて婚姻費用の分担を請求することは,信義に反し,又は権利の濫用として許されないというべきである。」として認めませんでした。

なお、同決定で認定されている暴力は、

・酔って帰宅した相手方が,長男に対し首を絞め,壁に押し付けて両肩をつかむなどの暴力をふるい,これを注意した抗告人ともみ合い,つかみ合いとなり,包丁を持ち出して抗告人に向けて振り回し,抗告人を負傷させた(本件暴力行為)

・本件暴力行為の以前から,長男を叩く,蹴るなどしていた

というものです。

大阪高裁平成25年9月20日決定は、不貞等をした側の配偶者からの婚姻費用請求を認めませんでした。

このように別居等について有責性のある配偶者からの婚姻費用請求は認められないことがあります。

実際には婚姻費用支払拒否が認められるのはレアではありますが、有責配偶者からの婚姻費用請求に納得できない場合は、支払拒否の主張をしてみてもいいでしょう。

なお、有責配偶者分の婚姻費用の支払請求が認められない場合でも、有責配偶者が養育している子どもの分の婚姻費用支払義務は認められることがあることに注意が必要です。

3 婚姻関係破綻と婚姻費用請求

かつては婚姻関係破綻後には婚姻費用請求ができないとの裁判例もありました。

しかし、現在の実務ではそのような主張はほぼ通らないようです。

なお、浦和地裁昭和57年2月19日判決は、以下のとおり述べ、離婚判決後確定前においてすら婚姻費用支払義務があるとしています。

原告は離婚訴訟の認容判決があつたから、判決言渡の翌日から婚姻費用分担の義務は生じないと主張するが、婚姻の解消(死亡、離婚)によつて分担義務は消滅するが、婚姻関係が破綻し、離婚訴訟が係属している場合であつても、現実に婚姻解消に至るまでは、夫婦は婚姻費用分担義務を免れない。」、「原告の婚姻費用分担義務は、判決が確定し、届出によつて、離婚が成立するから、右成立に至るまでは分担義務を免れることは出来ないといわなければならない。

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