歩道のある道路で車道を歩いていた歩行者と自動車の交通事故の過失割合

交通事故

1 歩道のある道路で車道を歩いていた歩行者と自動車の交通事故の過失割合

道路交通法10条2項は、「歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。一 車道を横断するとき。

二 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。」と定めます。
  ですから、歩道のある道路では、原則として歩行者は歩道を歩く必要があります。
  歩道のある道路で歩行者が車道を歩いていて、自動車に衝突された場合の過失割合について、別冊判例タイムズ「民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」は、
ⅰ 「車道を横断するとき」、「道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき」について、歩行者側の過失は基本10%
ⅱ ⅰ以外の場合で車道側端を歩いていたとき、歩行者側の過失は基本20%
ⅲ ⅰ以外の場合で車道側端以外を歩いていたとき、歩行者側の過失は基本30%
とされます。

2 裁判例の状況

以上のとおりであり、「道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき」との要件を満たすかどうかで過失割合が大きく変わってくることになります。

横浜地裁平成28年7月25日判決は、歩道を歩いていた歩行者が、電柱を避けるために歩道から車道に移り自動車にはねられた交通事故の過失割合について判断を示しています。

裁判所は、同事故について、ⅱの場合に該当するとします。一緒に歩いていた歩行者が歩道を歩き続けていたことからの判断と思われます。

その上で、夜間修正(5%)、重過失(酒気帯び、20キロ以上の速度超過)による修正を行い、歩行者に5%の過失を認めました。

福井地裁平成26年4月17日判決は、「本件現場付近の路側帯には深さ約20センチメートルの積雪があったから,Aが車道を通行することが許容される状況であった」として、ⅰの場合として過失割合の判断を行っています。

実際には、「道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき」と言えるかどうか微妙なケースも存在するので、立証に力を入れる必要があります。

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