脊髄損傷(四肢麻痺、両下肢麻痺)と症状固定後の治療費(交通事故)

さいとうゆたか弁護士

1 症状固定後の治療費

交通事故による傷病のための治療費は賠償の対象となります。
しかし、これ以上治療しても症状がよくならないという症状固定以降の治療費は通常賠償の対象とはなりません。
他方、重度な後遺障害が残った場合を中心に、症状固定後の治療費の賠償が命じられることもあります。
脊髄損傷(四肢麻痺、両下肢麻痺)についても症状固定後の治療費が認められることがあります。

2 脊髄損傷(四肢麻痺、両下肢麻痺)と症状固定後の治療費

大阪地裁平成28年8月29日判決は、1級1号の四肢麻痺の被害者について症状固定後の治療費の賠償を認めました。
この被害者は、「左右の上下肢が「廃用」,体幹についても「座っていられない」とされ,身の回り動作能力は,すべてが「全面的に介助」とされた。認知・情緒・行動障害に関しては,「ふさぎ込む,気分が落ち込む」が「中等度/ときどき」であり,「疲れやすく,すぐ居眠りする」,「自発性低下,声かけが必要」,「感情の変動が激しく,気分が変わりやすい」及び「夜,寝つけない,眠れない」がいずれも「軽度/稀に」となっているほかは障害なしとされた。全般的活動及び適応状況は,四肢麻痺のため全面介助を要し,呼吸筋麻痺による換気不全があり,痰喀出困難のため気管切開部より痰吸引を要し,膀胱障害のため膀胱カテーテル留置中」という状態でした。
判決は、このような後遺障害を踏まえ、「原告X1は,症状固定後も,平成26年2月までの2年6か月余りの間,東香里病院に入院して治療を受けていたところ,原告X1の後遺障害の内容・程度等からすると,症状固定後の入院治療も必要かつ相当なものであったと認められる。」としました。

この他にも、脊髄損傷(四肢麻痺、両下肢麻痺)の被害者について症状固定後の治療費の賠償を認めた裁判例は多くあります。

脊髄損傷(四肢麻痺、両下肢麻痺)については終生医療の介入が必要となることが多いため、適切に症状固定後の治療費の賠償を行う必要があります。

また、特別室、個室利用料も認められることが多いことにも注意が必要です。

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