面会交流に当たり第三者立会いを条件とした事例

裁判所は、子どもの健全な発達に支障があるといえる特段の事情がない限り、非監護親と子どもとの面会を認める傾向にあります。

他方、子どもの健全な発達の観点で、第三者立会いなどの条件を付することもあります。

例えば、東京高裁平成29年11月24日決定は、以下のとおり述べて、第三者立会いを面会交流の条件としました。

まず、同決定は、以下のとおり述べ、面会交流自体は認めるべきとしました。

「相手方による未成年者らに対する暴力行為、虐待行為等があったとは認められず、他方、前記認定(引用に係る補正後の原審判「理由」欄の第二の四(2)、(4)及び(5))のとおり、長男も、試行的面会交流を重ねるに従い相手方との親和度を増していて、未成年者らは相手方に一定程度の親和性を有していると認められる。未成年者らと相手方との直接的面会交流を禁止すべきとはいえない。」
その上で、同決定は、非監護親において自己中心的な側面があり、面会交流を円滑に行うために第三者立会いなどが必要だとします。

「上記のような相手方の行動・態度は、相手方の自己中心的で他者への配慮に欠けるところがあることを示しているといわざるを得ない。面会交流を円滑かつ継続的に行うには、相手方において、面会交流の要領(ルール)の遵守に加えて、面会時の未成年者らの状況への適切な対応、未成年者らおよび抗告人への心情等の配慮が求められるところ、相手方が自制心を持って、それらを行うことができるかについては懸念がないとはいえず、この点、面会交流の在り方を検討する上で留意すべきものと考える。
進んで、抗告人の現在の心身の状況等についてみるに、前記認定(引用に係る補正後の原審判「理由」欄の第二の三、七)のとおり、抗告人は、相手方との婚姻共同生活において相手方の言動によって精神的負荷を受け、別居後も未成年者らとの面会交流をめぐる相手方との言動から同様に負荷を受け、抗告人には、ストレス、不安を強く感じ、頭痛、不眠等の症状が起こっている。現在は、それらの症状があっても未成年者らの育児・養育及び監護に特段の支障は生じていないものの、場合により育児等に支障が生ずるおそれを否定することはできない。そして、抗告人は、これまでの経緯から、相手方に対して信頼感を持てなくなっていることも認められる。
そうすると、今後、未成年者らと相手方との面会交流が円滑かつ継続的に実施されるためには、抗告人が安心して未成年者らを面会交流に送り出すことができる環境を整えることも必要と考えられる。
以上の検討結果を総合すると、未成年者らと相手方との直接的面会交流を認めるのが相当であるが、未成年者らは、平成二六年一二月の相手方との別居後、これまで相手方と三度の試行的面会交流をしたのみであるから、短時間の面会交流から始めて段階的に実施時間を増やすこととし、頻度は一か月に一回とし、実施時間は半年間は一時間、半年後からは二時間とするのが相当である。
そして、前示のとおり、相手方に自己中心的で他者への配慮に欠けるところがあり、抗告人の相手方に対する信頼が失われていることを踏まえれば、面会交流を円滑かつ継続的に実施していくためには、一年六か月(一八回分)の間は、面会交流の支援を手掛ける第三者機関にその支援を依頼し、同機関の職員等が未成年者らと相手方との面会交流に立ち会うこととし、時間をかけて未成年者らと相手方との面会交流の充実を図っていくのが相当である。」

 

このように、監護親の意向などによっては第三者機関の立会いが条件とされることもあります。

第三者機関についてはかなり高額の費用を徴収することも多く、非監護親にとっては負担となることもありうるでしょう。

しかし、第三者機関を入れることの種々のデメリット面を考慮しつつ、それでも面会交流を実現するという目的のために裁判所が第三者機関による立会いを命ずることがあるのはやむをえないといえるでしょう。

 

離婚や面会交流でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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