執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 養育費・婚姻費用と自営業者の問題
養育費・婚姻費用は権利者・義務者の収入を主な要素として金額が決定されます。参照:養育費算定表
自営業者については確定申告書が算定資料となることがあります。
しかし、そこに記載されている所得をそのまま収入として認定するわけではないことに注意が必要です。
2 養育費・婚姻費用算定上の自営業者の収入の認定方法
自営業者の収入を認定するについては、所得金額に、確定申告書に記載されている控除部分中実際に支出されていない部分(扶養控除、青色申告控除等)を加算する必要があります。
減価償却については、現実に支出しているわけではないので、原則的には加算することになります。
東京家裁平成30年3月15日判決は、「平成28年の給与収入1285万3157円が自営業者の収入額913万円程度に相当し,これに減価償却費を加算した不動産所得の平成26年から28年の平均額である96万7334円を加算した1010万円程度を基準とするのが相当である。」として減価償却分を加算して養育費を算定すべきとしています。
しかし、東京地裁平成16年6月29日判決は、養育費算定にあたり、「被告の年収は,総収入から売上原価及び減価償却費を含む経費を控除した額というべきであり,可処分所得は,さらに,これから,所得税額,地方税額,社会保険料額を控除した額というべきである。」としています。
東京高裁平成9年7月30日決定は、婚姻費用について、「農業経営の必要経費は,平成7年分青色申告決算書によれば,減価償却費を含めて560万3209円となり(ただし,減価償却費については同決算書記載金額の6割を経費として認める)」として減価償却費の6割については経費として認めるとしています。
実際に業務に必要な機械等を購入した借入金が残っている場合等においては例外的に減価償却費を加算しない扱い、あるいは部分的に加算するような扱いはありうるでしょう。
その他、各経費が水増しではないか(私生活上の費用が経費に混入しているのではないか等)、チェックすることも重要です。
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