執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 高額所得者と養育費算定表
養育費については、裁判所のサイトに掲載されている養育費算定表に従った計算がなされることが一般的です参照:養育費算定表
しかし、この養育費算定表については、支払義務者の年収が2000万円までとなっています。
そこで、2000万円を超える年収の支払義務者について、どのように養育費を計算するか、問題となりえます。
2 通常どおりの計算式で養育費を算定するやり方
1つの解決法は、養育費算定表の基礎となっている養育費算定の計算式で養育費を計算するというやり方です。
具体的には、
ⅰ 基礎収入=総収入×0・38~0・54(給与所得者)
=総収入×0・48~0・61(自営業者)
の式で基礎収入を求める。
基礎収入を求めるパーセンテージは収入に応じて定まる。
ⅱ 子の生活費=義務者の基礎収入×((62×15歳未満の子どもの人数)+(85×15歳以上の子どもの人数))/(100+分子)
の式で子の生活費を求める。
ⅲ 義務者が分担すべき養育費の額=子の生活費×義務者の基礎収入/(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)
の式で義務者が支払うべき養育費(年額)を算出するというものです。
福岡高裁平成26年6月30日決定は、6171万6840円の年収がある医師が支払うべき養育費について、基本的に通常の養育費算定の計算式従いつつ、基礎収入割合を27パーセントとして、1人17万で2人分の養育費を支払うべきとしました。
3 年収2000万円を超える支払義務者については養育費を定額とした裁判例
ところが、東京家裁令和4年7月7日判決は、「(支払権利者は)3636万2914円を被告(支払義務者)の給与年収とすべきである旨主張する。しかしながら、養育費は婚姻費用とは異なり、収入が増えてもそれに比例して増加するものではないから、被告の給与収入を算定表の上限である2000万円とするのが相当である。」として、支払義務者の年収が2000万円を超えた場合、2000万円の場合の養育費とすべきとの判断を示しています。
しかし、養育費算定表において2000万円が上限とされているのは、それを超える人がそれほど多くないためでしかないと考えられ、養育費算定表の上限に特別の意味を見出すことは困難だと思います。
同判決の判断については疑問が残ります。
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