婚約と慰謝料

離婚問題

1 婚約と慰謝料

婚約している人と第三者が不貞をすると慰謝料が発生する可能性があります。

また、婚約を不当に破棄した人は慰謝料支払い義務を負います。

しかし、どのような段階になったら婚約が成立したと言えるのか、必ずしもはっきりしません。

そこで以下、裁判例を参考に、どのような場合に婚約が成立したと言えるのか、見ていきます。

2 婚約の成否についての裁判例

東京地裁令和4年10月13日判決

・一方が他方に対し、結婚するつもりであると述べたこと、

・当事者らが、互いの両親に対し、結婚する旨を報告することとしたこと

・結婚指輪を購入していること

・一方が、区役所に婚姻届の用紙を取りに行ったこと、

・一方が、他方の実家を訪れる際、婚姻届の用紙を持参し、その用紙に必要事項を記入することを他方に提案していたこと

などの事実の事実を踏まえ、婚約の成立を認めました。

東京地裁令和4年1月28日判決

・同居を開始し,定期的に性交渉を行うようになったこと,

・妊娠したこと

・当事者らが、婚姻の届出の時期及び方法に関する具体的な打合せ,結納の実施(又は不実施の合意),婚約指輪の購入(又は購入しないことの合意),結婚指輪又は結婚式の要否,時期,場所及び方法等に関する具体的な打合せ又は下見並びに双方の親への挨拶等の婚約を示唆する行動をした事実があったとは認められないこと

から婚約は不成立としました。

東京地裁令和3年9月7日判決

・当事者らがホテルでウェディング担当者と少なくとも挨拶をしたことがあったとしても,具体的に式の日取りを決めたり,見積を取ったなどといった事情も認められないこと

・一方が他方に自身の氏と交際相手の他方の名を組み合わせた印章を贈ったこと、当該印章を贈られた側がこれを年賀状に使用していたこと

・当事者らが互いに両親を婚約者として紹介することについて支障があることを示す事情もうかがわれないのに,当事者らが互いに他方の親と会っていないし、婚約を伝えていないこと

などから、婚約の成立を否認しました。

東京地裁令和3年8月19日判決

・互いの親族や友人等に対する紹介や婚姻する予定であることの報告がなかったこと

・結納や婚約指輪の交換,結婚式の準備,共同生活やそれに向けた準備等がされたとの事実は認められないこと

から、婚約の成立を認めませんでした。

東京地裁平成30年2月22日判決

・具体的な婚姻の日取りは決まっていなかったこと,

・住民票が別々だったこと

等から婚約の成立を否認しました。

東京地裁平成29年10月30日判決

・結納や結婚式場の下見,婚約指輪の購入などをしていないこと

から婚約の成立を否認しました。

東京地裁平成28年11月14日判決

・婚約指輪を渡したこと

・それぞれの親が参加する顔合わせの食事会を行っていること

から婚約の成立を認めました。

東京地裁平成27年11月17日判決

・一方が他方の実家に婚姻する意思で転居していること,

等から、婚約の成立を認めています。

これらの裁判例からは、ⅰ 入籍があった場合はそれまでの期間、ⅱ 婚姻の日取りの決定の有無、ⅲ 住民票や同居の有無、ⅳ 結納や結婚式の準備、ⅴ 婚約指輪の授受、ⅵ 親を交えての集まり、ⅶ 結婚をするとの意思表明などが総合考慮され、婚約の成否が判断されていることがわかります。

決して結婚を約束したという一事だけで婚約成立とはならないことに注意が必要です。

3 婚約破棄の慰謝料額

東京地裁令和4年6月14日判決

婚約に際し結納プランの予約等はされていたものの結婚式場や披露宴の具体的な予約等には至っていなかったこと、

・本件婚約から被告による破棄までの期間(3週間弱)

・2度も破局となったことによる心労

・荷物搬送等の諸手続が必要となったこと

などを踏まえ、慰謝料額は50万円と認めるのが相当だとしました。

東京地裁令和2年2月17日判決

(1)慰謝料について 100万円
(妊娠中のタイミングで婚約破棄したため、出産せざるをえなかったこと考慮)

(2)医療費について 20万6630円
(妊娠、出産に伴うもの)
(3)得べかりし利益について 130万円
(妊娠、出産により就労できなかったことに対応するもの)

の賠償を認めています。

東京地裁平成30年2月27日判決

「原告と被告との共同生活は10年以上に及び,その間,原告が,被告の生活費やDへの婚姻費用の支払など種々の事務を行い,それに伴い,後記で検討する通り,相当な出捐をしてきたことなどからすれば,原告の精神的苦痛も小さいとはいえ」ないとして、慰謝料100万円を認めています。

東京地裁平成28年11月1日判決

・婚約中にも関わらず複数異性と交際等したため婚約関係が解消したので悪質性が大きい

・交際2か月で婚約成立、その1か月後に婚約解消という交際・婚約期間の短さ

結納をしておらず,結婚式場の予約もしていなかった

等として慰謝料50万円を認めました。

その他、指輪代から地金の価値(1割)を分として、ダイヤモンドリングについては114万2100円,ペアリングについては42万2820円の賠償を認めました。

以上から、

・婚約破棄の慰謝料は数十万円から100万円が多い、

・100万を超えることがなくはない

・交際・婚約期間、婚約破棄に至った事情の悪質性、婚約を裏づける事情の強さ

・妊娠・出産など、婚約破棄のダメージの大きさ

等で慰藉料額が決まることが分かります。

4 新潟で婚約破棄、離婚をめぐるご相談は弁護士齋藤裕へ

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