予備的財産分与の申立(離婚)

離婚問題

1 離婚訴訟で財産分与の申立をするかどうか悩む場合

離婚訴訟の被告側が財産分与を求める方法としては、反訴をして、反訴で財産分与を求めるということが考えられます。
離婚してもかまわないという場合であればこれでいいのですが、離婚をしたくないと思っている場合には避けたいところではあります。
そのような場合には、反訴をしないで、離婚が認められた場合には財産分与を求めるという申し立て、すなわち予備的財産分与の申立をすることができます。
京都地裁平成5年12月22日判決は、「被告は、原告の離婚請求が認容された場合に仮定的に財産分与を申立ている。人事訴訟手続法一五条の趣旨に照らすと、自ら離婚請求をしない当事者も予備的に財産の申立をし得ると考える。」として予備的財産分与の申し立てをすることができるとしています。

2 予備的財産分与の申し立ての問題点

ただし、離婚事由があるかどうか微妙な案件で予備的財産分与の申し立てをした場合、裁判官において、「被告も離婚やむなしと思っているのかな」と考えてしまい、離婚を認容する方向に行ってしまう危険性があります。
ですから、離婚を強く争っており、離婚事由があるかどうか微妙な案件では、予備的財産分与の申し立てはすべきではないでしょう。
そのような場合は家裁で離婚について徹底的に争い、仮に家裁で離婚が認容されたら高裁で財産分与を申し立てるか、完全に離婚訴訟が終結した後で家裁に財産分与の調停を申し立てるべきでしょう。
なお、小さな問題ではありますが、上記京都地裁判決は、「被告は、本件口頭弁論終結時の翌日(平成五年一〇月三〇日)から右完済までの財産分与請求権の遅延損害金を請求している。しかし、右財産分与請求権に対する遅延損害金の請求権は離婚判決の確定曰の翌日から請求し得る財産法上の損害賠償請求権である。したがって、原告の右遅延損害金の請求は、反訴などの訴え提起によるべきものであって、単に離婚請求の相手方である被告の予備的財産分与の申立によって、これを請求することはできない。」としており、予備的請求による財産分与請求権について遅延損害金を請求することはできないとの裁判例があります。この点については有力な反対説もあるところです。

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