執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 家庭内別居と離婚、不倫
離婚や不倫の慰謝料が認められるかを考える上で、婚姻関係が破綻しているかどうかは極めて重要な問題です。
婚姻関係が破綻している場合、当事者の合意がなくとも離婚が認められる可能性が出てきます。
また、婚姻関係が破綻している場合、一方の配偶者が配偶者以外の人と性交をしたとしても、不倫とはされず、慰謝料は発生しません。
そして、完全に別居している期間が数年に及ぶと、婚姻関係が破綻していると認められることが多いです。
他方、一つ屋根の下で暮らし続ける、いわゆる家庭内別居の場合、それが長く続いただけでは婚姻関係が破綻したとは認められにくいです。
以下、裁判例を通じて、どのような場合に、家庭内別居で婚姻関係の破綻が認められるか、考えてみます。
2 家庭内別居と婚姻関係破綻についての裁判例
東京地裁平成17年5月26日判決は、原告からの離婚請求について、原告に婚姻関係破綻についての責任があるとして、離婚を認めませんでした。
その前提として、婚姻関係破綻について、「遅くとも平成13年3月ころ以降、同一の家屋に居住しながら、生活を全く別にしており、被告は、原告のための家事を一切行っていない。さらに、約20年の間性交渉はなく、口論以外ほとんど会話もないという状態であり、原告と被告の婚姻関係は既に破綻していることは明らかというべきである。」として、婚姻関係の破綻認定をしています。
ここでは、
ⅰ 生活を全く別にしている
ⅱ 妻が夫のための家事を一切していない
ⅲ 性行為も会話もない
という事実関係を前提に、家庭内別居が約4年という事案で婚姻関係破綻を認めています。
この事案においては、約20年の間性行為将がない等の事情も含め婚姻関係破綻の認定がされていますが、家庭内別居が婚姻関係破綻の主たる要因とされていると言えるでしょう。
このように、上記ⅰないしⅲの要件を満たすような場合、家庭内別居でも婚姻関係破綻が認定される可能性があります。
ただし、現実には、ⅰないしⅲの要件まで認められる家庭内別居のケースは多くはなく、家庭内別居のケースでの婚姻関係破綻認定のハードルは高いと言えます。
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