共同親権・共同監護についてどう考えるべきか?

1 共同親権制度の議論状況

現在、法制審議会家族法制部会では、共同親権を含めた家族法制についての審議が行われています。

令和4年6月21日の会議では、中間試案のたたき台が出されています。

以下、簡単にご説明します。

2 中間試案叩き台上の共同親権制度

共同親権を認めるかどうか

父母双方を親権者とすることができるとの案(甲案)、どちらか一方のみを親権者とできるとの案(乙案)が提示されています。

甲案では、子の最善の利益のために必要があるときは、家裁が単独親権→共同親権を含む親権者変更を命じ得るとしています。

共同親権を認める要件

父母双方を親権者とすることができるとの案(甲案)は、どのような場合に共同親権となるかについて、

・甲1案 原則共同親権、例外的に単独親権

・甲2案 原則単独親権、例外的に共同親権

・子の最善の利益のために適切な定めをすべきとの考え

に分けられます。

共同親権の場合の監護者の定め

また、甲案は、監護権の行使に関し、

・A案 共同親権の場合は必ず監護者を定め、監護者のみが監護権を行使

・B案 監護者を定めないこともでき、その場合は監護権を共同で行使。監護者を定めたときは、監護者のみが監護権を行使

・C案 B案で監護者を指定しない場合、主たる監護者を定める

の案に分かれます。

監護者を指定した場合、監護者が単独で親権行使できるとのα案、協議に基づいて行使するとのβ案があります。

子の居所指定

子の居所指定については、

・X案 監護者が単独決定

・Y案 親権者双方が決定に関与

とされています。

監護者指定、面会交流の判断要素

監護者指定や面会交流について家裁が決める際には、子の最善の利益を考慮しなければならないとされています。

3 中間試案の評価

共同親権・共同監護を実現するために望ましい方向性は?

共同親権を認めつつ、原則単独親権とする甲2案については、法制審での議論経過を踏まえると、かなり共同親権が認められる範囲が狭くなると言えます。

子の最善の利益のために適切な定めをすべきとの考えについては、何を子の最善の利益と考えるかについて判断者によって大きなブレが生ずる可能性もありますし、結局従来の実務を正当化する裁判官により従来の実務が踏襲され、何も変わらない可能性があります。

甲1案では、共同親権がかなり広く認められる可能性があることになります。

甲1案を採用した上で、子の居所指定について親権者双方が決定に関与するY案を採用すると、共同監護が実現する可能性が高くなります(ただし、親権者の協議が整わない場合、監護者が単独で定めるとの案があり、その場合、現在とあまりかわらないものとなる可能性があります)。

監護権の行使に関するB案でも共同監護が実現する可能性はありますが、どのような場合に監護者を定めないことができるのか不透明です。

現在の離婚後単独親権・単独監護のもとで、子どもの奪い合いが生じ、それが子どもの福祉に悪影響を与えている状況、親子間の交流がかなり限定されている状況を踏まえると、共同親権・共同監護の実現につながる甲1案、Y案の採用が重要です。

面会交流について

また、共同親権・共同監護とは別に、面会交流回数・時間の飛躍的改善が必要と思われますが、これに向けた提言が現時点では試案叩き台には見られません。これを導入することが重要です。

面会交流について家裁が決める際には子の最善の利益を考慮しなければならないとされていますが、これだけでは従来の取扱いが踏襲されるリスクが高いと言わなくてはなりません。

従来の監護割合に応じた面会交流を原則化するなど、法律に明確な指針を盛り込む必要があります。

今後予想される中間試案へのパブリックコメントの取り組みが極めて重要と言えます。

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