私立高校の学費と養育費・婚姻費用

1 養育費・婚姻費用の算定と私立高校の学費

養育費・婚姻費用は、裁判所の算定表により算定されるのが通常です。
しかし、当該算定表は、公立高校に通う場合を前提に計算がなされています。
そのため、私立高校に通う場合には補正が必要な場合があります。
以下、計算例を見ていきます。

2 私立高校の学費をどのように養育費・婚姻費用において考慮するか

東京家裁平成27年6月26日審判は、以下のとおり、婚姻費用算定にあたり、私立高校の学費を考慮しています。

「一年次の学費等(入学金を除く。)一一九万六〇〇〇円から算定表で考慮された一五歳以上の学校教育費相当額一人当たり年間額三三万三八四四円(判例タイムズ一一一一号二八五頁以下参照)を控除した八六万二一五六円を申立人及び相手方の収入で按分すると、相手方が算定表で算出された婚姻費用に加えて負担すべき学費は月額三万〇六一五円(八六万二一五六円×三〇〇万円÷(三〇〇万円+四〇四万〇二二五円)=三六万七三八四円、三六万七三八四円÷一二=三万〇六一五円(小数点以下切り捨て))となる)」

これは、
ⅰ 私立高校の学費-算定表が前提とする学費(33万3844円)の差額86万2156円を算出
ⅱ この86万2156円を、権利者・義務者の収入に応じて按分
というプロセスで計算をするものです。

他方、大阪高裁平成26年8月27日決定は、以下のとおり私立高校の学費を考慮しています。

「標準的算定方式においては,15歳以上の子の生活費指数を算出するに当たり,学校教育費として,統計資料に基づき,公立高校生の子がいる世帯の年間平均収入864万4154円に対する公立高校の学校教育費相当額33万3844円を要することを前提としている。そして,抗告人と相手方の収入合計額は,上記年間平均収入の2倍弱に上るから,上記(3)のとおり標準的算定方式によって試算された婚姻費用分担額が抗告人から相手方へ支払われるものとすれば,結果として,上記学校教育費相当額よりも多い額が既に考慮されていることになる。」
「そこで,既に考慮されている学校教育費を50万円とし,長男の□□高等部の学費及び諸費の合計約90万円からこの50万円を差し引くと40万円となるところ,この超過額40万円は,抗告人及び相手方がその生活費の中から捻出すべきものである。そして,標準的算定方式による婚姻費用分担額が支払われる場合には双方が生活費の原資となし得る金額が同額になることに照らして,上記超過額を抗告人と相手方が2分の1ずつ負担するのが相当である。したがって,抗告人は,上記超過額40万円の2分の1に当たる20万円(月額1万6000円程度)を負担すべきこととなり,これを,上記(3)のとおり標準的算定方式の算定表への当てはめによって得られた婚姻費用分担額に加算すべきである。」
「そうすると,学費を考慮して修正した婚姻費用分担額は,平成26年×月までは27万円,同年×月以降は25万円と定めるのが相当である。」

つまり、
ⅰ 夫婦の収入は平均収入の2倍弱となり、私立高校学費を考慮する以前に婚姻費用が相当の額になるので、公立高校の学費額を上回る額(50万円)が既に考慮されていると評価できる
ⅱ そうすると私立高校の学費との差額は90万円-50万円=40万円となる。
ⅲ この40万円を夫婦で半々で分担する
ということです。

ⅱに関して言うと、夫婦の収入が多い場合、私立高校の学費の負担について別途増額等されない可能性もあることを示すものです。
ⅲについては、東京家裁の判断方法と異なるものですが、東京家裁と大阪高裁の判断方法のどちらを採用するかで婚姻費用額がかわってくるので、どちらの計算方法で主張すべきか、慎重な判断が必要となります。

 

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