執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 婚姻費用の計算方法
結婚している夫婦の間において、一方が他方に対し、計算式に従った婚姻費用を請求することができます。
算定基準は以下の養育費算定表をご覧ください。
参照:養育費算定表
2 年金、育児休業給付金と婚姻費用
婚姻費用算定は双方の収入で計算されます。
典型的には給料や個人事業主の所得が基準となりますが、年金や育児休業給付金を受給している場合もそれをもとに婚姻費用が計算されることになります。
ところで、上記算定基準を策定するにあたっては、夫婦の収入から一定の経費を引いたものを基礎収入とし、その基礎収入をもとに計算をし、妥当な婚姻費用を導き出そうとしています。
その経費には仕事をする上で必要となる職業費が含まれます。
ところが、年金や育児休業給付金を受給する上で職業費は必要ありません。
よって、年金や育児休業給付金を受給している人については職業費分を上乗せして婚姻費用を計算します(上乗せの仕方については、単純に足す方法、職業費の割合で割る方法がありえます)。
育児休業給付金についてこのような計算をした裁判例しては、宇都宮家裁令和2年11月30日決定があります(同決定では、職業費を15%として計算しています)。
つまり、これらの人が受給する婚姻費用については給与所得者や自営業者に比べ低くなります。
3 児童手当、児童扶養手当と婚姻費用
福岡高裁那覇支部平成22年2月29日決定は、子ども手当について、以下とおり述べ、婚姻費用の算定にあたり考慮されないとしています。
「子ども手当制度は,次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援するとの観点から実施されるものであるから,夫婦間の協力,扶助義務に基礎を置く婚姻費用の分担の範囲に直ちに影響を与えるものではない。」
同判決を踏まえると、児童手当、児童扶養手当も社会全体で子育て支援するために支給されるものであり、婚姻費用の算定にあたっては考慮されないということになるでしょう。
これらの制度の不安定性を考慮すると、妥当な判断と思います。
4 新潟で婚姻費用のお悩みは弁護士齋藤裕へ
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